高二の夏、教室で息を潜める宮下永遠(とわ)の前に、目立ちすぎる転校生が現れた。<br />長瀬刹那(せつな)――人形のような整った容姿に高慢な態度、色めき立つクラスメイトを無視して、永遠に歩み寄り、首筋に噛みつき、囁(ささや)いた。<br />「君はすごくおいしそうな匂いがする」 自称・人魚で傍若無人な刹那と、心を閉ざし続ける永遠。<br />正反対の嘘で武装した二人が運命的に出会い、命がけの恋の物語がはじまる――。<br />