その夜、親友が湖で命を落とした。<br />二十二年前に高校で組んだバンドのメンバーが集まった宴での出来事だった。<br />生徒会長の信明、副会長だった昌子、元バスケ部の壮介、吹奏楽部の君香。<br />彼らは当時、スターのように輝いて見えた。<br />歳月を行き来しつつ語られる、恋、別れ、喪失。<br />そして秘密。<br />人生を歩む道程であなたが味わう喜怒哀楽、そのすべてがここにある。<br />作家としての成熟を表す、記念碑的長篇小説。<br />(解説・澤田康彦)