人が生きてきた時間を封じ込める――それが、肖像彫刻。<br />芸術の道を諦めて、八ヶ岳山麓で職人彫刻家として再出発した正道。<br />しかし彼の作品には、文字通り魂が宿ってしまうのだった。<br />亡き両親、高名な学者、最愛の恋人……周囲の思惑そっちのけで、銅像たちが語り始めたホンネとは。<br />人間の愚かさと愛しさが胸に迫る人生賛歌。<br />