あなたは、そこまでして私の人生を邪魔したかったの――。<br />認知症の母を介護するために恋人と別れ、仕事のキャリアも諦めた直美。<br />孤独死した父への悔恨に苛まれる頼子。<br />糖尿病の母に腎臓を提供すべきか苦悩する慧子。<br />老親の呪縛から逃れるすべもなく、周囲からも当てにされ、一人重い現実と格闘する我慢強い長女たち。<br />その言葉にならない胸中と微かな希望を描き、圧倒的な共感を呼んだ傑作。<br />(解説・徳川家広)