愛なのか、狂気なのか──。<br />女性エッセイストが絶賛したことを機に、一躍脚光を浴びた知られざる天才画家。<br />美術誌の編集者だった橘は、胸に迫る画風に惹かれ、無名のまま亡くなった謎の男の画集を企画するが、未亡人は、作品の何点かを贋作と頑なに主張する。<br />いぶかしがる橘をよそに、現存する絵の価格は一夜にして高騰し……。<br />スリリングな絵画ミステリーの超大作。<br />『薄暮』改題。<br />(解説・品川裕香)