殺人罪に服した七年間に、俺は我知らず修羅を飼っていたらしい。<br />出所直後から週刊誌の取材攻勢に曝され、気づけば一転、有名人に祭りあげられた男。<br />その空騒ぎのただ中で、彼は七年の彼方からシグナルを受け取った。<br />計画を始動する時が来たのだ。<br />被害者側と加害者側をたやすく逆転させて楽しむ世間を消去する必要があった。<br />