純真な心を持ちながらも、女の’性’ゆえに男から男へわたらずにはいられないおさん――世にも可愛い女が、その可愛さのために不幸にひきずりこまれてゆく宿命の哀しさを描いた『おさん』。<br />芸妓に溺れ込んでいった男が、親友の助力で見事に立ち直ってゆくまでを描いた『葦は見ていた』。<br />’不思議小説’の傑作『その木戸を通って』。<br />ほかに『青竹』『みずぐるま』『夜の辛夷』など全10編を収める。<br />