殺人容疑で捕えられ、死刑の判決を受けた兄の無罪を信じて、柳田桐子は九州から上京した。<br />彼女は高名な弁護士大塚欽三に調査を懇願するが、すげなく断わられる。<br />兄は汚名を着たまま獄死し、桐子の大塚弁護士に対する執拗な復讐が始まる……。<br />それぞれに影の部分を持ち、孤絶化した状況に生きる現代人にとって、法と裁判制度は何か?を問い、その限界を鋭く指摘した野心作である。<br />