徳川家康のめぐらす謀りごとを実現すべく働き抜いた山口新五郎は、江戸開府後、六十歳を過ぎて初めて女体に接した。<br />そして二度も十代の嫁を娶ることになる、この男の生涯を描いた「黒幕」。<br />夫の仇と襲った相手が従容として、己れの左腕を斬り落とさせる姿に心を打たれ、その男の妻となる戦国の女を描いた「猛婦」。<br />他に「勘兵衛奉公記」「槍の大蔵」など、初収録4編を含む11編を収録。<br />