私の頭の中に反響する’声’。<br />それは、事件のつらい真相を告げた──。<br />ヤクザの元夫・石神の家庭内暴力から逃れ、ジャズ・シンガーとして生きる杏子。<br />だが、彼女には、死者の残留思念と共鳴できるという忌まわしい能力がまつわりついていた。<br />その力を捜査に利用したい警察は、杏子の前に石神を送り込む。<br />力はなぜか石神が一緒のときにだけ発揮されるのだ。<br />時間の底を探る連作ミステリー。<br />