戦争にまきこまれた百姓・沢庵が、欲に目がくらんで〈大将〉の影武者となった。<br />ところが、彼の息子が敵方の〈大将〉の影武者になったので、事はややこしくなった……偽者かと思えば本物、味方かと思えばやっぱり敵――上方歌舞伎を著者が整理・改作し、スラプスティック劇顔負けの大悲喜劇に仕立て上げた「影武者騒動」ほか「猪熊門兵衛」「破天荒鳴門渦潮」の意欲作3編を収める。<br />