見合いの席、美しくつつましい女性に男は魅せられた。<br />ふたりの交際をあたたかく見守る周囲をよそに、男は彼女との結婚に踏みきれない胸中を語りはじめる。<br />男は、独り暮らしの彼女の居宅に招かれたのだった。<br />しかし、そこで彼が目撃したものは……(「同居」)。<br />日常生活の劇的な一瞬を切り取ることで、言葉には出来ない微妙な人間心理を浮き彫りにする、まさに名人芸の掌編小説21編。<br />