城代家老の’御意討ち’を命じられた新八郎は、直(じか)に不正を糺すが、逆に率直な説明を受け、初めて真実を知る。<br />世間の風聞などは信を置くに足らぬと説いた著者の人間観が現れる『宗近新八郎』。<br />藩の’家宝’が象徴する武家の権威を否定して’人間第一主義’を強調する『浪人走馬灯』。<br />生命を賭けるに値する真の’堪忍’とは何かを問う『ならぬ堪忍』など戦前の短編全13作を収める。<br />