栄転を目前にした検察官が最後に手がけた事件は、社内不倫の果ての殺人だった。<br />故意なのか、それとも事故なのか。<br />「検事さんにだけは本当のことを知ってもらいたい」と、恋の始まりから終わりまでをねっとり語る被告の言葉が、真面目な官吏のおだやかな毎日を少しずつむしばんでいく。<br />思わず我が身を振り返る心理サスペンス長編。<br />