あの夜、歌舞伎町のビルに火を放ったのは自分なのか、それとも? 泥酔し記憶が定かでない中古レコード店主は自問を繰り返す。<br />やがて不審な客が店を訪れ「火をつけろ」とつぶやき姿を消した……。<br />あの「九月十一日」の直前、東京・西新宿を舞台に、変容する世界を描く表題作ほか、現代演劇を刺激し続ける著者が挑む’小説の冒険’。<br />