幼い一途さで答えてしまった「待っているわ」という一言によって、一生を左右され記憶喪失にまで追いやられてしまう’おせん’の悲しい生涯を描いた「柳橋物語」。<br />愚直な男の、愚直を貫き通したがゆえにつかんだ幸福を描いた「むかしも今も」。<br />いずれも、苛酷な運命と愛の悲劇に耐えて、人間の真実を貫き愛をまっとうした江戸庶民の恋と人情を描き、永遠の人間像をとらえた感動の2編。<br />