京の都が、天災や飢饉でさびれすさんでいた頃。<br />荒れはてた羅生門に運びこまれた死人の髪の毛を、一本一本とひき抜いている老婆を目撃した男が、生きのびる道をみつける『羅生門』。<br />あごの下までぶらさがる、見苦しいほど立派な鼻をもつ僧侶が、何とか短くしようと悪戦苦闘する姿をユーモラスに描いて夏目漱石に絶賛された『鼻』。<br />ほかに『芋粥』『好色』など’王朝もの’全8編を収録する。<br />