神生島にイチマツが帰ってきた。<br />神か仏のような人間離れした美貌の一ノ屋松造は、島の女たちと次々に契る。<br />そして生まれた子供には、唇のような形の赤痣が身体のどこかにあった。<br />またその子供たちにも同じ痣が――。<br />明治維新から「あの日」の先までを、多彩な十七の物語がプリズムのように映し出す。<br />