犯罪社会学者の火村英生は、友人の有栖川有栖と旅に出て、手違いで目的地と違う島に送られる。<br />人気もなく、無数の鴉が舞い飛ぶ暗鬱なその島に隠棲する、高名な老詩人。<br />彼の別荘に集まりくる謎めいた人々。<br />島を覆う死の気配。<br />不可思議な連続殺人。<br />孤島という異界に潜む恐るべき「魔」に、火村の精緻なロジックとアクロバティックな推理が迫る。<br />本格ミステリの醍醐味溢れる力作長編。<br />(解説・村上貴史)