デビュー戦を初回KOで華々しく飾ってから、3敗1分けと敗けが込むプロボクサーのぼく。<br />そもそも才能もないのになぜボクシングをやっているのかわからない。<br />ついに長年のトレーナーに見捨てられるも、変わり者の新トレーナー、ウメキチとの練習の日々がぼくを変えていく。<br />これ以上自分を見失いたくないから、3日後の試合、1R1分34秒で。<br />青春小説の雄が放つ会心の一撃。<br />芥川賞受賞作。<br />(解説・町田康)