幻の書の新発見か、それとも偽書か――。<br />高校の歴史研究部活動で城址を訪れたぼくは中年男に出会う。<br />人を喰った大阪弁とは裏腹な深い学識で、男は旧家の好事家が蔵書目録に残した「謎の本」の存在を追い始めた。<br />うさん臭さに警戒しつつも、ぼくは男の博識に惹かれていく。<br />ラストの逆転劇が光る、良質のミステリのような注目作。<br />