女32歳、独身。<br />誰かにのめりこんで傷つくことを恐れ、恋を遠ざけていた夏目。<br />間島の絵を一目見た瞬間、心は波立ち、持っていかれてしまう。<br />走り出した恋に夢中の夏目と裏腹に、けして彼女だけのものにならない間島。<br />触れるたび、募る想いに痛みは増して、夏目は笑えなくなった──。<br />恋の終わりを知ることは、人を強くしてくれるのだろうか? ひりつく記憶が身体を貫く、超全身恋愛小説。<br />(解説・栗田有起)