パリでの弁護士生活を捨て、暗い運河の町・アムステルダムに堕ちてきた男、クラマンス。<br />彼の告白を通して、現代における「裁き」の是非を問う、『異邦人』『ペスト』に続くカミュ第三の小説『転落』。<br />不条理な現実、孤独と連帯といったテーマを扱った六篇の物語からなる、最初で最後の短篇集『追放と王国』。<br />なおも鋭利な現代性を孕む、カミュ晩年の二作を併録。<br />