ようやく、海に戻れる――。<br />デスクワークに頭を悩ませる日々を経て、艦長に抜擢された、早乙女碧二佐。<br />あおぎりはヘリを搭載する本格的な護衛艦で、艦乗りとして胸の高鳴る職場である。<br />だが、いよいよ待ち望んだ初出港、というときに、電測員一名が姿を消したことを知る。<br />このまま出港すべきか、否か。<br />三尉として海上自衛隊に身を置いた著者が、女性指揮官の誇りとリアルを描く。<br />新たなる組織小説の誕生。<br />(解説・村上貴史)