芸術家の道を諦めた中年バツイチの正道。<br />心機一転、八ケ岳山麓に移住するが、本場イタリア仕込みの腕を振るった女神像は、あらぬ場所に置かれてしまう。<br />それでも注文には心を込めリアルな彫像を造った。<br />だが耳を疑うことが起きた。<br />喋るというのだ、肖像が……。<br />古刹の訳あり仕事から、亡き両親の像、大胆な裸体彫刻まで、珍現象が巻きおこす人間模様をからりとしたユーモアで笑い飛ばす傑作。<br />(解説・鵜飼哲夫)