五月の晴れた日に、お饅頭のようなかわいらしい子猫と出会った。<br />親猫はおらず、病院に連れて行ったところ、特別な猫であることがわかって――。<br />花ちゃんと名付けられた子猫が、元気に走り回るようになるまでを描いた「生きる歓び」。<br />それから十八年八カ月後、花ちゃんとの別れが語られる「ハレルヤ」。<br />青春時代を振り返った川端康成文学賞受賞作「こことよそ」など愛おしさに満ちた傑作短編集。<br />(解説・湯浅学)