有夢と瑤子と海は、いつも好きなアーティストの話で盛り上がる親友同士。<br />しかし私立女子中学校に進学後、関係が一変する。<br />クラスを仕切る女子に反発した海に対し、報復のいじめが始まったのだ。<br />有夢と瑤子も次第に抗いきれなくなり――。<br />海の母親、担任ら、大人の視点からも浮かび上がる理不尽な社会の「仕組み」。<br />心を削る暴力の輪に組み込まれ、もがく全ての人に、一筋の光を照らす長編小説。<br />(解説・鴻巣友季子)