祖母が遺した古い家に女が四人、私たちは共同生活を始めた。<br />糸を染め、機を織り、庭に生い茂る草が食卓にのる。<br />静かな、けれどたしかな実感に満ちて重ねられてゆく日々。<br />やさしく硬質な結界。<br />だれかが孕む葛藤も、どこかでつながっている四人の思いも、すべてはこの結界と共にある。<br />心を持つ不思議な人形「りかさん」を真ん中にして――。<br />生命の連なりを支える絆を、深く心に伝える物語。<br />