はじまりは、「ぬかどこ」だった。<br />先祖伝来のぬか床が、うめくのだ――「ぬかどこ」に由来する奇妙な出来事に導かれ、久美は故郷の島、森の沼地へと進み入る。<br />そこで何が起きたのか。<br />濃厚な緑の気息。<br />厚い苔に覆われ寄生植物が繁茂する生命みなぎる森。<br />久美が感じた命の秘密とは。<br />光のように生まれ来る、すべての命に仕込まれた可能性への夢。<br />連綿と続く命の繋がりを伝える長編小説。<br />