僧侶の「私生児」として生まれたのち、文学と恋愛に心を奪われて中学を中退。<br />北海道を彷徨う漂泊の日々。<br />転職につぐ転職。<br />友から借銭して娼婦と遊んで妻を苦しめ、放蕩の限りを尽くしたかと思えば社会主義に傾倒する――。<br />貧しさに喘ぎつつ、引き裂かれるほどの烈しい精神を歌に刻印した劇的な生涯。<br />膨大な資料をもとに、感傷的な歌を残した夭折詩人というイメージを覆す生彩豊かな傑作評伝。<br />(解説・平野啓一郎)