女とは肉体の歓び以外のものではない。<br />友とは取引の相手でしかない……退屈で窮屈な既成の価値や倫理にのびやかに反逆し、若き戦後世代の肉体と性を真正面から描いた「太陽の季節」。<br />最年少で芥川賞を受賞したデビュー作は戦後社会に新鮮な衝撃を与えた。<br />人生の真相を虚無の底に見つめた「灰色の教室」、死に隣接する限界状況を捉えた「処刑の部屋」他、挑戦し挑発する全5編。<br />(解説・奥野健男)