ウラル。<br />彼女の存在は特別だった。<br />あるいは一般的に、彼女の外見は地味に見えるかもしれない。<br />悲しみも、怒りも、他の感情も、彼女が外に見せることは少ない。<br />だが、それでも。<br />架見崎の最強、月生亘輝にとって彼女だけが、美しかった――。<br />冬間美咲に追い詰められた香屋歩は、起死回生の構想を実行に移す。<br />それは、月生と「七月の架見崎」に関わる秘策だった。<br />償いの青春劇、第7弾。<br />