不思議なことが起きる、東京の下町アカシア商店街。<br />殺人事件が起きたラーメン屋の様子を窺っていた若い男。<br />その正体とは……「紫陽花のころ」。<br />古本に挟んだ栞にメッセージを託した邦子の恋が、時空を超えた結末を迎える「栞の恋」など、昭和という時代が残した’かたみ’の歌が、慎ましやかな人生を優しく包む。<br />7つの奇蹟を描いた連作短編集。<br />(解説・諸田玲子)