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ペインの箱

ナミの群れが空間をくねり始めたとき、ペインはようやく眠りからさめた。
もちろん、ナミが糸状にうごめく前から、おきようと思えばおきることもできた。
それは、腰のあたりに半透明のヤヤがいつものように漂っていたからだ。
とは言え、ヤヤはイソギンチャクのように、ゆらゆらとへばりついていただけのことだから、彼をおこそうとしていたのかどうかはわからない。
(本文冒頭より)奇妙キテレツな短編小説集。
表題作の他、「ロッシーという名の毛編みの男」「ロッシーという名の駱駝の男」「宇宙心中」を収録。




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