鬼女紅葉伝説における「紅葉は鬼女か、貴女か――」その評価は分かれるところだが、これこそが本作の主要なテーマである。<br />紅葉が出身の会津を離れ、京に上るには理由がある。<br />それは、朝廷を揺るがせた大事件に端を発していた。<br />その出生に謎を持つ紅葉は、父笹丸から仇討ちの謎を受け継ぐ。<br />2つの謎が一向に解けぬまま、自身の生に終焉が近づいていることを覚る。<br />千年の古から伝わる伝説の謎に迫る長編小説、ここに刊行。<br />