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報国の人々 伊藤博文と井上毅の相剋

日本国とは何か、どうあるべきか、究極の答えを模索する’明治志士’の物語西郷、大久保、木戸の維新三傑と岩倉具視がこの世を去った明治中期、民権運動を標榜する反政府勢力は、国家中枢人物に対して実質的なテロ活動をあちらこちらで画策していた。
そんないまだ不安定な時代の渦の中で、井上毅をブレーンに持つ伊藤博文を中心とする、大隈重信、黒田清隆、井上馨など、維新第二世代とも言われる政府要人たちは、まったく無の状態から、欧米に伍するわが国独自の近代政治制度を短期間のうちに作り上げねばならなかった。
国家、国民とは何で、天皇の役割とはどのようにあるべきなのか、現在でさえ答えのない議論と政治闘争が繰り広げられる中、彼らは、明治新政府が空中分解しかねない政治危機を何度も迎えてしまう。
命を賭して、国の土台作りに挑んだ彼らの心中にあった信念、計略、情熱とはどのようなものであったのだろうか。
日本近代政治の原点と帝国の’誕生’がここに描かれる。




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