希望を胸に、身一つで京都から江戸へくだった豆腐職人の永吉。<br />己の技量一筋に生きる永吉と、それを支えるおふみはやがて夫婦となった。<br />固く大きい江戸の豆腐と、やわらかで小さい京風の豆腐。<br />好みの違いに悩みながらも、二人で精を出し、周囲に助けられ、ついに表通りに店を構える。<br />その一方、家族にはだんだん気持ちのすれ違いが大きくなっていた。<br />商売を引き継いだ三人の子らまで、豆腐屋二代の機微を描いた、第126回直木賞受賞の傑作人情時代小説。<br />