あのことばだけは消え去らない。<br />その痛みだけは忘れられなかった――。<br />逝去直前まで推敲を重ねた津島文学の到達点顔も知らぬ父、15歳で早世したダウン症の兄。<br />絵美子と母を気遣う、大勢のおじ・おばたち。<br />そして、ヒトラー・ユーゲント来日の記憶。<br />大家族の物語はこの国の未来を照射する。<br />2016年2月18日に逝去した著者の絶筆長編小説。<br />