大学の食堂で働く雪子は、毎日わかめうどんばかり頼む女学生を自分の娘のように眺めていた。<br />だが彼女が付き合っているらしい男が気に入らず、ある日思わずある行動に出てしまう…(「うちの娘」)。<br />日常の中ですれ違っていく、忘れられない人たち。<br />そのすれ違いの中で、かすかに揺らぐ感情を掬いあげる佳品6篇。<br />芥川賞作家にして、最年少川端賞作家が描く奇蹟。<br />