人は、おのれの血にどこまで縛られるのか? 高名な日本画家の家系に生まれながら、ペットの肖像画家に身をやつす時島一雅は、かつてない犬種を開発中というブリーダーの男に出資を申し出る。<br />血の呪縛に悩みながら血の操作に手を貸す矛盾。<br />純白の支配する邪悪な世界への憧憬。<br />制御不能の感情が、一雅を窮地へと追い込んでいく――。<br />ホラーサスペンスであり動物パニック小説であり芸術小説でもある、門井慶喜の意欲作! 『血統(ペディグリー)』を改題。<br />