突然死した最愛の夫。<br />悲しみに追い討ちをかけるかのように発覚した、愛人の存在――。<br />「この作品集には、『9・11後の世界』という大まかなテーマで書き継いできた四つの作品を収めている。<br />信じられる確かなものがなくなってしまった。<br />その喪失感、寄る辺なさ、空虚さ、不安定さなどを、それぞれの作品の主人公たちもまた抱え込んでいる。<br />彼らの物語を書き継ぐことで、私は自分がこの世界で生きていることの、小さな足がかりを作りたいと思った。<br />(著者)」