このひとこそ……生涯に真の同伴者。<br />男が女にえがく夢は、底知れず貪欲なのである。<br />小野屋新兵衛は、人妻・おこうとの危険な逢瀬に、この世の仄かな光を見いだした。<br />しかし、闇はさらにひろくそして深いのだ。<br />悪意にみち奸計をはりめぐらせて……。<br />これこそ藤沢調として、他の追随をゆるさぬ人情物語の名品。<br />