森の中にある瀟洒なホテルのバー「黄金の猿」に集う男と女。<br />新婚の夫婦、兄と妹、愛人たちに囲まれる退廃的な女、物欲しげな男たち。<br />裏の林を夜毎に若い女が歌い、徘徊する。<br />激しくぶつかり、やがて溶け合う思弁と肉体の蠢き。<br />繰り広げられる愛と性についての妖しい対話──。<br />男女の心の襞を磨き抜かれた言葉で描く「黄金の猿」3部作をはじめ、珠玉の全4編を収録。<br />いま最もスリリングな日本語の使い手による、日本文学の最前線。<br />