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送り火

家族の幸せを思うとき、自分自身は勘定に入れない。
「あの頃の父親って、ウチのお父さんだけじゃなくて、みんなそうだったんじゃないの?」女手ひとつで娘を育てあげ、いまはさびれた団地で独居する母が娘にそう呟く(表題作)。
パンクロック評論で注目された青年の四半世紀後を描く「シド・ヴィシャスから遠く離れて」。
大切なひとを思い、日々を懸命に生きる人びとのありふれた風景。
とある私鉄沿線を舞台に「親子」「夫婦」のせつない日常を描いて胸に沁みる9つの短篇。




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