金沢あかり坂
古都・金沢を舞台に、恋と青春の残滓を描いた短編集。
「金沢あかり坂」--金沢の花街で生まれ育った凛は、別れた恋人の記憶を引きずったまま芸妓になった。
その心をいやしてくれたのは父の遺した笛だった…。
「浅の川暮色」--新聞社の事業部に務める森口は、十数年ぶりに記者時代の初任地、金沢を訪れた。
夜、浅野川を見つめる森口の意識に、それまで自分の内側に押し込めていた女性の姿が浮かび上がる。
「聖者が街へやってきた」--北陸のK市にあるラジオ局に勤める魚谷と同僚、友人の新聞記者は、古い城下町の秩序に挑もうとして、世界各国に打電された奇妙な事件を作りだすが…。
「小立野刑務所裏」…いまから十数年前、私は金沢に住んでいた。
金沢は誇り高く、そして怖ろしい町だった。
著者を思わせる男が回想する金沢で暮した日々。
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