「アロエが、切らないで、って言ってるの。<br />」ひとり暮らしだった祖母は死の直前、そう言った。<br />植物の生命と交感しあう優しさの持ち主だった祖母から「私」が受け継いだ力を描く「みどりのゆび」など。<br />日常に慣れることで忘れていた、ささやかだけれど、とても大切な感情――。<br />心と体、風景までもがひとつになって癒される13篇を収録。<br />