昭和10年春、女子医専を卒業した寿子は、満州・大連へ赴任する。<br />帝大の科学者と祝言をあげたちゑ。<br />六代目尾上菊五郎の妾となった芸者の松太郎。<br />不穏な世相を背景に、三麗花はそれぞれの道を歩みだす。<br />やがて訪れた再会の日、満州国皇帝の御前で彼女たちが詠んだ秀句とは――。<br />永井荷風、高浜虚子、甘粕正彦、川島芳子、愛新覚羅溥儀ら、多彩な人士と交錯する、三麗花それぞれの人生。<br />‘句会小説’として話題となった直木賞候補作「俳風三麗花」、待望の続編。<br />