京に暮らし、二世夜半亭として世間に認められている与謝蕪村。<br />よき友人や弟子たちに囲まれ、悠々自適に過ごす晩年の彼に小さな変化が……。<br />祇園の妓女に惚れてしまったのだ。<br />蕪村の一途な想いに友人の円山応挙や上田秋成、弟子たちは驚き呆れるばかり。<br />天明の京を舞台に繰り広げられる人間模様を淡やかに描いた、傑作連作短編集。<br />著者の特徴である「人を想う気持ち」が通奏低音の如く流れ、読む人の気持ちを暖める。<br />新たな蕪村像を描いた意欲作!