紅梅
「『文學界』にこの作品が掲載されるときは、心配で夜も眠れなかった」(著者談)――本作は雑誌発売と同時に大きな反響を呼び、津村さんの不安を吹き飛ばす賞賛の声が相次いだ。
2005年2月に舌癌と診断された、夫で作家の吉村昭氏。
舌癌の放射線治療から1年後、よもやの膵臓癌告知。
全摘手術のあと夫は「いい死に方はないかな」と呟き、自らの死を強く意識するようになる。
一方で、締切を抱え満足に看病ができない妻は、小説を書く女なんて最低だと自分を責める。
吉村昭氏の闘病と死を、作家と妻両方の目から見つめ、全身全霊で文学に昇華させた衝撃作。
第59回菊池寛賞受賞。
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