「余はこれから何人の女を抱かねばならぬのだろう」――時は平安。<br />清和、陽成、宇多、若くして即位した天皇たちはそれぞれに孤独な屈託を抱えていた。<br />そして、後宮の女たちは、そんな主上のお訪いを来る夜も来る夜もただひたすら待つのだった。<br /> 入内できぬ女の思い。<br />后になっても叶わぬ恋。<br />報われることのない帝の愛。<br />いつの世も変わらぬ、身を滅ぼさんばかりの物狂おしい恋情を描いた時代絵巻。<br />新進気鋭の女性官能作家による平安恋物語誕生!